14年の月日
15年前の9月に
あの人と待ち合わせをした
時間は6時半
今にも雨が落ちてきそうなどんよりな空
待ち合わせよりも早く着いて
ショッピンモールをうろうろしていた
白いパンツ
空色のニットのアンサンブル
自分で言うのもなんだが
スラっとしているので
パンツスタイルは似合うと思っている
「少し遅れます」
メールが届いた
早く着いているのに
遅れる人待つのは
少々手持ちぶさた
いつもここで時間を潰すのは
ソニプラ
対してお店も広くないので
何度も同じところをうろうろしてみる
ようやく
時間が迫ってきた
待ち合わせ場所のホテルのロビー
ソファがいくつかあると
どこに座るのがベストなのか
瞬時に決めなくてはいけない
入り口に背を向けた
大きなソファに腰を下ろす
目の前にはいつ誰が弾くんだろうか
ピアノがある
行き交う人々
どんな用事でここにいるんだろう
大きな窓ガラスに映る人影を
見ながら
いつ現れるのかと
ドキドキが止まらない
「すみません」と申し訳なさそうに
スーツのがっしりした男性が現れた
TUMIのバッグを持っている
メールで話していたヤツだ
はっきり言って
イケメンでもなんでもない
品の良さそうな
スーツに色黒のはっきりした顔立ち
姿勢良く立っていた
彼の誘導で
最上階のレストランへ
後から考えたら予約はしていなかった
そこはフレンチレストラン
軽いコースとアルコールを頂き
二次会代わりに
バーへ席を移動
正直
何を話したのか覚えてはいない
海外出張の際の写真をスマホで見せてくれた事
素敵なレストランがどこかにあるから
こんど行きましょう
など
会話も途切れず
時間が過ぎた